アイマスの魅力は化学調味料に似ている

気がついたら買ってた(ぉぃ

夏コミでアイマスの同人誌を出すという知人から「ネタ出しに協力してくれ」と言われて、先日から勉強のためにアイマスをプレイし始めました。
皆さんはアイマス、お好きですか? 自分は正直なところ嫌いでした。
以前、友人が実績稼ぎの一環で購入したときに触らせてもらったことがあって、そのときにゲームとして面白いように思えなかったんですよね。
完全にランダムで判定される朝の挨拶(そのくせテンションの上下はゲーム進行上に若干の影響を与える)、意味もなくシビアなレッスンことミニゲーム(ボイスレッスンと表現力レッスンの難易度は理不尽の領域)、リスクとベネフィットの比率を考えるとあまりにもリスクが高すぎる対人戦の位置付けetc.――営業以外のほとんどの項目をプレイした結論として「これクソゲーだろ」と思わずにはいられませんでした。
それにほら、なんかDLC商法とかそれに対して嬉々としてお金を投じ続ける人とか、微妙にイラッとするじゃないですか(暴言)。


そんなわけで事あるごとに「MU-6さんはプレイしたら絶対にアイマス気に入りますから」とアーケード版の頃から勧誘されていたものの「いや、死んだお祖父ちゃんが『アズキ相場とアイマスにだけは手を出すな』って言い残したからオレはちょっと……」と固辞し続けていたのです(その言い訳はどうなんだ)。
思えば心のどこかで感づいていたのかもしれません。きちんとプレイすれば、そしてキャラクターに深く触れてしまえば、たぶん自分は気に入ってしまうと。


――で、はたしてどうなったのか。プレイしている間、mixiに書いていた日記を読み返してみたら絵に描いたようなツンデレっぷりで切ない気持ちになったので、一部抜粋しつつお届け。
「人はこうして新しい人間に生まれ変わっていくんだな」と『LOST+BRAIN』を読んでいるような生暖かい気持ちで読んでください(^^;

◆5月20日 電源アダプタでかすぎだろ、常識的に考えて
つーかマジででかいな、電源アダプタ。アメリカンサイズ。ダイエットしろ。


アイマスはプロデューサー名と育成するアイドル、ユニット名を決めて第1週が終わったとこまではやった。
これがあと51週続くのか、長いな。
そしてwikiを見れば見るほどコミュニケーションや休日イベントをチェック→ロードして何事もなかったかのようにレッスンというプレイ方法しかないような気がしてくる。
少なくとも効率よくプレイしようと思うとそれしかないんじゃないか…?
(「効率よく、なんて考えるのが邪道だよ!」と言われると返す言葉もない)
この作りでイベント回想がないっていうのは客のニーズを蔑ろにしているとしか思えないエロゲ脳のオレであった。
ゲーマガのムック(VFB厨らしく買わせていただきました)で回想を付けなかった理由は語られてたけど、う〜む。


――え? あ、結局誰をプロデュースすることにしたか、ですか?
「好みで選ぶのが一番」というアドバイスをいただき検討した結果、デザイン的には美希や千早が好みなんですが扱いにくそうな気がしたので、次に好みなあずささんにしました。
ちなみにユニット名は「芝原のぞみ」(マテ
いやだって、「どんな芸名にしようか」とか主人公がつぶやくから…。あと目の前にNG恋VFBがあったから…。
ほんと色んな偶然が重なってこの芸名になったんですよ。
だって芸名「石橋朋子」にするか悩んだもの(確信犯じゃねーか)。


まあ腹黒いネーミングではありますが、ゲームは真面目に、諸々の合間を縫って進めていこうと思います。

自分で言うのもアレですが、この芸名はひどすぎると思わないでもないです。
まあ、雪歩をプロデュースするときにまあ、その、なんだ、過去の黒歴史化している名前を付けた友人には到底及ぶものではないのですが! ですが!

◆6月11日 アイドル育成日記(14週目〜17週目)
久しぶりにFランクアイドル「芝原のぞみ」(本名:三浦あずさ)の育成を再開しました。
デビュー以来15週間にわたって継続されたレッスンに次ぐレッスンの日々を終え、活動16週目、ついにオーディションに繰り出しました。
ぶっちゃけオフライン設定にするのを忘れていたのですが今となってはお客さんはL4Uにシフトしてしまったのか、対人戦はしなくてすみました(^^;
で、いまだにオーディションのやり方とかどうなるとジャストアピールなのかとか全然わかっていないんですけど、辛くも勝利。
晴れてFランクからEランクへのランクアップを果たしたのでありました。

◆6月13日 アイドル育成日記(18週目〜21週目)
というわけでのんびりペースではありますが進めています。
目下の悩みはなんだかんだでオーディション時にビビって思い出ボムに頼りがちなこと。
1回のオーディションで平均2発は使ってるからなぁ……。
効率性の向上を考えると1発に抑えておきたいところなのですが(^^;

この辺までは恐ろしく業務連絡というか淡々と事務的にゲームをこなしているのがよくわかります。
実際序盤って営業やって見られるコミュニケーションも本当に「売れてないアイドル」って以上のものはなくて、あんまりピンと来ないんですよね。レッスンは完全に作業、オーディションも対人戦のメリットの少なさからオフラインを選んだ時点で作業プレイなわけで……頼まれたからってのがなければプレイやめてたかも(^^;

◆6月18日 アイドル育成日記(26週目〜30週目)
・28週目
敏腕記者もいなくなってしまったのでいい区切りとばかりに営業を実施。
どうでもいいけど「Cランクアイドルはメジャー級」ということになっているのに毎回オーディションで勝たないとテレビに映ることもできないって、今さらだけどどんだけシビアな世界なんだよ(笑)


・29週目
とりあえずはCランクのコミュニケーションを色々と見てロードといういつものアレ(ぉ
それにしてもこのランクだとライブも武道館ですか。
デパートの屋上でも客が入らなかったFランクの頃とは大違いですね。
あと親友の前でキスをしても怒られないプロデューサーさんのモテっぷりに全俺が泣いた。デキる男は違うね。
つーかもうこの辺のランクで普通に考えてくっつくだろ。
べ、別にリゾートに誘うあずささんを見てニヤニヤしたりしてないんだからねっ!

◆6月19日 アイドル育成日記(31週目〜36週目)
今日も今日とてアイドル育成日記でございます。
ゲーム的には不満なところが山のようにあるんだけど、なんかだんだんこれはこれで楽しくなってきたかもしれない。
正直ブースト欲しさにメアドくらいは買ってもいいかなとすら思ってるくらい(ぉ


・34週目
Bランクに上がったのでランクアップコミュを眺める。
高級マンションに引っ越したあずささん、「家賃も高いのでがんばらないと」はいいんですけど、52週で引退する時限爆弾アイドルだという認識が欠けているような……。
いや、それともそれまでに一生分稼ぐとかそういうことなのか?(ぉぃ
それにしてもこの手のイベントで、放送ではお見せできない顔になってしまうオレはつくづく安い客だなと思うのであった。


・35週目
ランクアップ後のお約束でいくつか営業をチェック。
とはいえ今後は今までより高頻度で営業もやる予定なので控えめに2,3個だけ。
それにしても完全にあずささんが陥落(おち)ているのですが。
「私も、プロデューサーさんは、絶対に、弟にしたくないです」とか「(言い寄る男を「恋人がいる」とかわすべきとアドバイスされて)自分の言葉には、責任を持ってくださいね。恋人、いることになってしまうのですからっ」とかアピールしすぎですよ!?

◆6月21日 アイドル育成日記(37週目〜41週目)
・39週目
今週はアイドルマスターGPの開催日。
「つらいことも、楽しいことも、いろいろありましたね」とかなんとか、あずささんがまるで今週で引退するようなことを言い出して一瞬ビビった。
いやいやまだ10週以上ありますから! そういうこと言い出すのはまだ早いって。
「エンディングまで泣くんじゃない」って昔、糸井重里も言ってたよ(ぇー

Cランクに上がるころからコミュニケーションの内容が格段に甘い内容に変わってきます。
それに伴いオレの日記の内容も豹変。我ながら安い客だとは思いますがしかたないんだよ、かわいかったんだから!(ぉぃ
途中まで「芝原」とか「あずさ」としか書いてなかったのが、いつの間にかナチュラルに「あずささん」と書くようになっているあたり、なんてゆーかツンデレですよね! ね!?
そしてさんざんひとりでニヤニヤしつつさらにプレイは続き、いよいよエンディングへと向かいます。

◆6月22日 アイドル育成日記(42週目〜引退)
・引退コンサート
長かった……、覚悟はしてたけど52週間は長かった……。
オーディションもレッスンもある意味作業なだけにコミュニケーションがなければ乗り越えられない、そんな過酷な1年間でした。やっぱり自分は生粋のアドベンチャーっ子というか、基本的にギャルゲーにゲーム性は求めないタイプなんだろうなぁと思うのでありました。


それにしても社長からの評価発表のタイミングが悪すぎるだろ、常識的に考えて……。
コンサートを見事に成功させてイベント的に一番盛り上がったところで急に社長が出てくるとかなめてんのか。
このゲームはときどき驚くくらいセンスがないことをやると思うの(暴言)。
でも、なんだかんだ言いつつ楽しいことは楽しかった。ゲーム的には言いたいこともいっぱいあるけど(ぉ
2周目は美希か伊織で進めようとは思っていますが、アイマスばっかりやってたから少しは他のゲームも進めないと。
そんな感じのアイマス日記「芝原のぞみ」育成編でした。

もう本当にバンナムの思うつぼというか、ものの見事にハマってしまったのですが、まあ日記にも書いたようにゲームとしては限りなく微妙だという評価は今でも変わっていません。
ただ一方でキャラクターには十分な魅力があるというのもまた事実。でもぶっちゃけ凄く冷めた視点で見ると、そのキャラクターにしたってよく言えばコテコテ、悪く言えばあざとい/ある意味ありきたりなキャラクターでしかないとも思ったりします。


で、自分なりになんでアイマスのキャラに魅力を感じたのかを考えてみると、味付けが濃くて量が少ないから結果としてちょうどいい塩梅になってるのかなと。
コテコテであざといキャラっていうのはたとえば長いシナリオを読ませるようなエロゲなんかだと、最初のうちはいいんですが人によってはプレイすればプレイするほど飽きが来てしまいます。「また同じような反応しやがって、何度目だよ、この手のイベント」となりやすい。それに対して基本的に営業を選択したときのコミュニケーションでしかまとまった会話が見られないこのシステムでは多少濃くても、その味付けに飽きる前に幕を引くことができるわけです。
人間、飽きが来ない範囲においては薄味よりも濃い味付けの方が概ね好ましく感じるものです。よく『美味しんぼ』とかで出てくる「麻痺するほど化学調味料を入れた方が日本人には喜ばれるんだよ」的なアレ。
この辺、ある種『ときめきメモリアル』などにも通ずるものがあるかもしれませんね。だって、あれとか今のエロゲ並のシナリオ長であのキャラ維持させようと思ったら鏡さんとか紐緒さんとかほぼギャグキャラだぜ?(^^;
このゲームのシステムにはいろいろと不満や「なんでこうしたの?」という疑問――「アーケードでお金を落とさせるため」というのはわかるけどそれをそのまま家庭用に持ってきた意味がわからんという意味で――があったりしますが、それでもこのキャラの濃さと営業システムのバランスは奇跡的にいいバランスだと思うのでありました。
これが人気の理由の全てだとは思わないけど、百戦錬磨のギャルゲーマーたちが次々陥落していった理由のひとつなのは間違いないんじゃないかなぁ。


そういう意味で今気になっているのはDLCのアイドラやドラマCDのようなまとまったボリュームになったときに、はたしてこの印象が崩れないかということだったり。まあ複数名が入り乱れるシナリオでしょうから単純にひとりと長時間接する一般的なギャルゲースタイルのシナリオにはなってないでしょうし、ベンチマークとして適切かどうかは微妙ですが……。
気がついたらゲイツポイントや『L4U!』がなぜか手元にあったりして、どんどん染まっていく自分を実感する今日この頃。
以上、現代落語『アイマスこわい』でございました(笑)。