『てとてトライオン!』がとてもMOTTAINAI件について

最近『てとてトライオン!』をコンプリートしたんですが、まあなんつーかもったいねーなと深く思ったわけですよ。
このサイトを見ているような人なら説明する必要もないと思うんですけど、この作品は早い話がドタバタコメディなわけです。いい言い方をすると終始テンション高めで楽しくて、悪い言い方をすればそれ以外には何も残らないという、そういうゲームなわけですが……なんだろうな〜、プレイしていると非常に微妙なんですよね(^^;
「デキが悪いのか?」と言われたら「そんなことはない」って返すんだけど、「じゃあいいの?」って聞かれても「そんなことはない」って返してしまうという、まあぶっちゃけ典型的な及第点に落ち着いているわけですよ。
作中のPITAシステムが学校法人に納入するシステムとしてありえないくらい不安定なことが、個人的に気になって気になってしょうがなかったんですけど、その事実だけ見ても「せいぜい普通レベル」だったんだなということが我ながらよくわかります。細かいことに目が行くっていうことは楽しめてない証拠ですから(ぉ


『てとて』、丁寧に作られていると思うんですよ?
キャラはかわいくできてるし性格的にも立ってるし、たけやまさみさんの描く女の子はビジュアル的にもかわいいし、ドタバタコメディで求められる会話のテンポもかなりいい。
実際、個々のシーンを取り上げてみるとかなりサクサク進んで読んでいても楽しいんです。
それなのに全体を通して見るとなぜかダレるんですよね……。
理由は簡単でこのゲームの基本的な進行というのは

学校でコンピュータシステムの障害が原因でトラブルが起きる

主人公たち生徒会が出動

ドタバタしつつトライオン(まあシステムへのアクセスだと思いねえ)して問題解決

ということの繰り返しの過程で主人公とヒロインが恋に落ちていって――となるわけですが、本当にこの繰り返しだけで全ヒロインのシナリオが進行していくんで展開そのものに飽きてしまいます(^^;
ドタバタが続いて起伏に富んでいるはずなのに、なぜか全体を見るとかなり平坦なシナリオに見えてしまうってのは何気に致命的ですよ。
(ちなみに選択肢の分岐も2回しかないという男らしい分岐だったりしますが、その辺はa-parkさんが熱く語っているので割愛。まあ選択肢の数が少ないだけで実際にやってる処理や手法は非常にオーソドックスですけどね)


どこだかのインタビューで製作サイドが「テーマパークみたいなプレイしている間、ずっと楽しんでもらえるようなソフトを目指した」と言っていたような記憶があるんですが、だったらもう少し考えて欲しかったというのが本音です。
楽しいテーマパークだって、ずっと同じルートが続くジェットコースターに10分も20分も揺られたら飽きてしまいます。ゆっくり淡々と上っていくところや平坦なところもあって、かつバリエーション豊富なループがあるから最後まで「あ〜、楽しかった」と言ってもらえるわけですよ。ついでに1分とか2分で終わるってのもポイントでしょうか。
映画でもジェットコースターアクションなんて言葉がありますけど、あの手の映画が5時間もあったら誰も最後まで見ないでしょうし(ぉ
そういう意味ではもう少しバリエーションに富んだ構成、あるいは短期決戦にしておけば心象はぐっと良くなったんじゃないかなぁ、もったいないなぁと思ったのでありました。
ちなみに長々と書いたこの文章を要約すると「メリハリが足りない」という1フレーズになってしまうというのはいいっこなしです。ほら、やっぱり長すぎるよりは短い方がいいでしょ?(笑)


部分部分は素直にいいと思うだけにうだうだ書いてしまいましたが、よくよく考えると

  • キャラいい
  • 会話のノリもいい
  • ストーリー全体としては弱い

という要素だけ見ると『まじかる☆アンティーク』の頃からそうだったような気もするので、椎原ゲーの方向性がそうなのかもしれません(つーかオレとの相性があんまり良くないだけかもですが)。
おっかしいなぁ、『PRINCESS WALTZ』の時は全体としてはいささか弱いもののルンルン VS アンジェラ戦とか清白 VS リーゼル戦とかきっちりしっかり超盛り上げてくれる展開があったのになぁ。
「あの辺はヘルプで入ってたpropellerの人が書いてるんじゃね? 戦闘のノリ的に考えて」という意見は華麗にスルーしつつ、今日はこの辺で。
うむ、自分でも驚くくらい久々にエロゲの話題書いたな。とてもじゃないがもともとエロゲレビューをやっていたとは思えん(^^;