『うた魂♪』見てきた ☆☆☆★

この時期にはよくあることなんですが、19年度からの残件をずっと引っ張っていてなかなか余裕が戻ってきませんでした。厳密に言うと4/12、13あたりは一時的に余裕が戻ってきたのでお出かけしたりしたんですが、その後はまたドタバタしてまして……なかなか人生思い通りには行かないですねぇ。
というわけでして凝りもせずに過去日記ですが、映画『うた魂♪』を見に行ってきました。


あらすじは大体こんな感じ。

合唱部員の荻野かすみ(夏帆)はちょっと自意識過剰なのが玉に瑕の女の子。
美貌も歌の才能も兼ね備えた彼女のもとに、ある日あこがれの男子・牧村(石黒英雄)から「歌っている姿を撮りたい」という申し出が来る。まさに人生順風満帆! だったはずなのに……。


牧村が撮った写真に写る、大口を開けた自分の顔にショックを受けているところに、投げかけられた「荻野さんの顔って産卵中のサケみたいだよね」の言葉に追い打ちを掛けられ、すっかり意気消沈してしまうかすみ。
こうして合唱部を辞めることに決めたかすみだったが、顧問の瀬沼先生(薬師丸ひろ子)に諭され、ラストステージとして地元の夏祭り合唱祭に出場することに。だが、牧村の言葉をきにした彼女は、ひとりまるで精彩を欠いた歌声を披露するのだった。
そんな彼女の前に現れたのが、ヤンキーばかりで構成された湯の川学院高等学校合唱部の部長・権藤(ゴリ)だった。
「あんな歌い方、歌への冒涜だ」そう言い捨てた権藤たちが歌い上げる『15の夜』を聞いた時、かすみの胸の中に再び熱い物がわき始める――

うん、相変わらず適当なまとめだけど、おおよそこんな感じです。どうでしょう? 人によって多少思うところは違うかもしれませんが、概ね「ああ、スタンダードな青春物だな」という感じを抱くのではないでしょうか。
で、その感想で別に間違っていません。この後の展開も歌を歌う喜びを取り戻したかすみが少しだけ大人になって、今まで自分が気持ちよく歌えればそれでいいと考えていたのを改め、みんなの一員になれるようになったり、当然のように牧村くんは「本当はかすみのことが好きだったのに、上手く言えなくてあんなバカにするような言い方をしてしまった」とか言い出すわけで、大筋を見るとまるで進研ゼミのマンガのごとくわかりやすいストーリーです(笑)。
王道で、同時にそれを一歩も外れる物ではないため、ぶっちゃけ先は読めてしまうんですけど、さわやかな話は嫌いではないので結構楽しめました。
やっぱりベタでもなんでも何か夢中になれる物を持ってる人たちってのはいいよね。「必死になってる顔に疑問を持ってたら、一生だせえまんまだ!」っていう権藤のセリフは、そこまで何かに必死になることがないダメ社会人としては微妙に刺さる物があったですよ。つーか、仕事に必死になれよ>オレ


でも、この映画のウリ、面白かったところというのはどちらかというとそこではないんですよね。
じゃあ何かというとコメディ部分となにより歌!
コメディ部分はネタとしてはそれほど面白いとは思わなかったんですが(ぉぃ)、正統派美少女女優のはずの夏帆が本当に「サケが産卵するような顔」やら、うっとりと妄想に耽った間抜け面を曝しているのはある種、それだけで面白い物がありました。
だってさ、あの夏帆が「アイアム、フルチーン!」って何度も叫んだりするんだぜ!?
あとゴリの10代ヤンキーぶりが意外に違和感のないのも笑えたかな。


歌についてはミュージカル映画でこの部分が盛り上がらなかったらダメなんですけど、大勢で歌うのってそれだけで心を揺さぶられますよね。本能に訴えかけるっつーか。もともとこの映画を見に行こうと思ったきっかけが予告編で聞いた合唱に心惹かれたからだったんですが、クライマックスで披露された『青い鳥』を聞いた時は不覚にも少し泣いてしまいました(^^;
スタッフロールでは曲提供者であるゴスペラーズ自身が歌うバージョンも使われているんですが、プロであるゴスペラーズが歌った物よりも数ヶ月間練習しただけの(「だけの」って表現は失礼でしょうが)かすみたちが歌ったバージョンの方がずっと心に響きましたですよ。
この辺、自分は尾崎に思い入れがないのでアレですけど、尾崎豊世代の人だったら、ヤンキーばっかりの湯の川高校が歌う『15の夜』や『僕が僕であるために』でもグッと来るんじゃないですかね。


そんなこんなでまとめ。
ちょっと優等生的すぎる気もしますけど、なかなか満足度の高い映画でした。自分的にはミュージカル映画ならもっとエンターテインメントに偏った『プロデューサーズ』や『ヘアスプレー』の方が好きですけど、この辺微妙に国民性の違い見たいのが出ていて面白いかも。
評価としては星3つ半。って、今これを書いてて知りましたけど、合唱つき舞台挨拶なんてあるんですね……。どうせ見るならこのタイミングで行けば良かったorz


<関連AA>
うた魂(たま)♪ オリジナルサウンドトラック
スタッフロール見てたら『ダンシング・シスター』の作詞がゆうまおで驚いた。
ヘアスプレー DTSスペシャル★エディション [DVD]
歌って踊れるデブの女の子が夢も恋もゲットしちゃうというこれまたわかりやすいミュージカル(笑)。『You Can't Stop The Beat』の神曲っぷりは異常。