非オタの同僚をコミケの初日に連れて行ってみた

……というわけで本来だったら金曜日は行かない予定だったのですが、お盆時期であまりにもヒマだったせいか同僚が「コミケ行ってみたい!」とか頭おかしいことをのたまい始めたので、秘奥義「外出有明直帰」を使い、ふたりしてコミケに行くことになりました。
上司とソフマップに行ってエロゲを買ったこともある自分ですが、さすがに同僚と一緒にコミケに行くことになるとは思わなかったよ(笑)
まあ相手は自分がある程度以上の重度オタだっていうのわかってるんで別に今さら隠すことはないんですが……。
ちなみに同僚のスペックはこんな感じ。

  • 渋谷の近郊に住んでおり、中学生になる頃から渋谷界隈で活動。
  • 昔はマンガを結構買っていた。最近はそうでもないけど1年前くらいから『DMC』にハマっている。
  • グルメで酒好き。趣味はおいしい店の食べ歩きと行きつけのバーで常連たちと話すこと。

「行きつけのバー」て。バーってあれでしょ? 佐々倉くんがいつもかっこいいことを語ったり、「マスター、あの女性にドライマティーニを」みたいな会話が飛び交う場所でしょ?(それを真面目に聞いたら「そんな会話してる人見たことない」と言われました)
まあ要約すると「MU-6と付き合いがある関係でオタへの偏見はそれほど持ってないけど、基本そっち方面にはあんまり縁がない人」と認識しておいてもらえればOKです。


会社から山手線で大崎へ移動、そこからりんかい線で国際展示場に着いたときにはもう3時近く。
本当のコミケのカオスっぷりを堪能させるためにはもう少し早く来ておきたかったですし、これじゃ度肝を抜くなんて無理だな……なんて思っていたんですが、ぶっちゃけこの思考自体がもうコミケ慣れしている人間のものだったようです。
駅に着くなり、同僚あぜん(笑)。
時間が時間なので駅のホームは帰る人たちで埋まっており、会場から駅へはひっきりなしに人が流れ込んでいたのですが、その人の数と脇に張られた『絶対衝撃』八宝備仁さんの絵を使っておきながらエロがないなんてとんでもない! と個人的には思います)の大漁旗のようなありさまに既に十分に度肝を抜かれていた模様。

同僚「え? なにこれ? なんでこんなに人いるの?」

とかなんとかビビりまくってました。
そんな彼に国際展示場駅から会場に向かう広場を歩きながら、「朝はこのあたり一帯が人民広場くらいの勢いで人間で埋めつくされるんだよ」と教えてあげたのですが、

同僚「またまた〜、こっちが何も知らないと思ってそういう冗談を〜

と軽く流されてしまいました(´Д`; おいちゃん、ウソは何も言ってないのに……。いや、自分も初めて行ったときは実際に自分の目で見るまで待機列の凄さみたいなものはイメージできなかったけどさ。


その後は東館の一般サークルブースと企業ブース、おまけにコスプレ広場まで含めて短い時間ではあったものの一通り回って案内して差し上げました。それから向こうの要望で先日のワンフェスで事故があったエスカレーターも。
当然のように企業ブースに寄ったついでに自分の買い物もスピーディにこなしましたよ(ぉ
そうこうしている間に16時の終了時刻が来てしまったので撤収。これまた30分待ちの列になっていたタクシー待ちの列に並びながら人生初の(そしておそらく最後の)コミケ参加について率直な感想を聞いてみたところ、非常に率直な意見が聞けたのでここに載せてみることにします。コミケ参加者からしてみれば「ちょっと」と思うところもあるんですけど、そういう世界の外から見た意見としては「やっぱりこういう意見になるよなぁ」という感じで面白かったので。
あ、わかると思いますけど囲み記事中で「――」がついてるのがMU-6の発言ですよ。


ちょっと長いけどまずはファーストインプレッションと一般ブースについて。

――1時間ちょっとしかいられなかったけど、コミケはどうだった?
「いやもうまず人に驚いたよ。仕事でたまに展示会には来るけどこんなに人がいるの見たことないし」


――ああ、たしかに人手には驚かされるよね。でも今日のこれくらいの時間じゃ大したことないんだぜ?
「正直信じられないんだけど……。逆にこれくらいの日に連れてきてもらえてよかったよ。あの橋のところ(MU-6注:中央から東館に向かう最中の廊下のこと)で待たされたりしたら絶対に暑くて心折れてたし。これ以上人がいたら人混みに酔いそう」


――まあ自分も迷子になりそうな人を3日目の戦場に連れて行こうとは思わないけどさ。他には?
「さっきと内容かぶっちゃうけど、会場の広さにも驚いた。ウチらが普段行くような展示会って大体1個とか2個の会場しか使ってないけど、企業ブース入れて10個、だっけ? これ全部使ってる上に結構人が入ってるんでしょ。これ、参加者から金を徴収する仕組みを考えたら凄いビジネスになるんじゃないの?


――……非常にビジネスマンらしい意見だとは思うけど、そういうのはあんまり言わないのがお約束なんだよ。ボランティアベースで運営されている巨大イベントってところが特殊性であり、価値のひとつなんだろうから。
「あ、それも聞いて驚いた。よくメリットもないのにこれだけスタッフを集められて混乱もなく運営できるなって。なんだっけあの凄い列(MU-6注:オーガスト無料配布列のこと)とかディズニーランドみたいになってたじゃん。巨大なフリマだと思ってたからバーゲンみたいに凄いことになってると思ってたよ


――スタッフのメリットとかはオレもやったことないからわからんけど、あの列はちょっと感動するよな。そんなところ?
「う〜ん、あ、そうだ。意外と女の子が多かったね。もっと男ばっかりだと勝手に思ってたんだけど」


――ああ今日はそういう日だったからね。
「これは言ったらMU-6に怒られそうなんだけど……ぶっちゃけ男っていうか、途中いたじゃん、あのちょっとアレな人」


――ああ、途中自販機でばったり出くわした全くお風呂入ってない感じの、ぶっちゃけ住所不定無職っぽかった人?(笑)
「そうそう、ぶっちゃけああいう人ばっかりだったらどうしようかと思ってた


――ちょ……おま……、そんな印象で見てたのかよ!
「行く前だってば。行ってみたらまあそういう人もいたけど、普通に普通のかっこうしてる人も多かったよね。考えてみれば当たり前なんだけどさ」

続いては企業ブースについて。

――企業ブースはどうでした?
「個人のブースよりやっぱりお金かかってるな、くらいかな(笑)。企業ブースは他のイベントでも見てるからね、あんまりどうこう思うことはなかったかな。個人ブースと比べると女の子のイラストが圧倒的に多いなとは思ったけど」


――今日は個人ブースはどっちかってーと女の子向けの日だったからね。イラストは男が多いのですよ。
「でもあの『打ち切ってます』って書いてる列(MU-6注:リーフの列)とか全然進んでなかったじゃん。あれ最後までいても買えるの?」


――買えないかもね、あれは……(実際買えなかったらしい)。まあなんつーかあれは「1%でも可能性があったら勝負する」みたいな感じなんですよ、かっこよく言うと。やってることはかっこよくないけどな。
なんで売ってるのに列が進まないのかね? 販売のバイトがボンクラなの?


――会社によっても違うんだろうけどほとんどのところは社員の方が業務の一環としてやってるはずだよ。チラシ配ってるコスプレねーちゃんは別として。
「それでももっと効率化はできると思うんだけどなぁ。知的労働者にとって最も大切なものは時間だよ?
――そーゆー「デキる男」っぽいフレーズを吐かれるとついて行けないのでやめて! やめて! あとコミケ販売におけるエロゲ会社が知的労働カテゴリに入るかどうかはかなり微妙かも、とは思うな(ぉ

んでもってコスプレ広場について。

――んじゃ、最後にちょっとだけ寄ったコスプレ広場は?
「コスプレ自体は広場以外でも結構見かけたんだけど、う〜ん……」


――どうしたよ言葉に詰まって。
「女装コスプレは普通に理解できなかったんだけど、なんかこう」


――はっきり言おうぜ、この際だし。
いや、その、なんで残念な感じの人が多いのかなって


――(爆笑)。残念でしたか。
「ようするにコスプレ好きの人って出たがりなわけだよね。目立ちたがりっていうか」
――まあそういう部分はあるだろうね、少なからず。
出たがりには出たがりの水準ってあると思うんだけど、ぶっちゃけあれなら普通に街歩いてる人の方が平均的なクオリティは高いんじゃ……。渋谷とか表参道とか」
――お前の地元を言われてもそんなオシャレシティの服装水準は知らん! そんなところと比べるな! 心に棚を作れ


ここまで聞いたところで最後に総括を聞いてみることにしました。
なんとなくここまでの感触と合間合間のやり取りで異文化ながらも同僚も楽しんでいる感じは伝わってましたけど、やっぱり自分の好きなイベントがどう思われるのかは気になりますのでね。

――最後に全体を取りまとめて感想を。
MU-6の歩く速度が会場に着いたら急に速くなった(笑)。……え、そういう話じゃなくて? 真面目な話をすると楽しかったよ。これが夏じゃなければもっと時間をかけて見て回ったり、どんなものが実際に売られてるのか見てみてもいいかなと思ったくらい」


――マジすか、じゃあ冬は3日目の朝から参加だな(笑)。
「いや最初からはなんか大変そうだから遠慮したいけど(笑)。でも、なんていうのかな、参加してる人がみんな凄く生き生きしてるっていうか楽しそうだよね。こっちから見るとクソ暑い中、何時間も待たされて地獄みたいな状態なのに。そこまで欲しいっていうか夢中になれるものがあるっていうのは素直にいいことだと思った


――無理やり言わせてるんじゃないかって疑われそうなくらい模範的なコメントだな(^^; 別にオレに気を遣わなくてもいいんよ?
「別に気を遣ってこう言ってるわけじゃないってば。自分は格闘技をよく見に行くんだけど、ちょっとああいう会場の熱さに似てるかもしれない。方向性は全然似てないんだけど、格闘技も興味ない人から見ればただの殴り合いだしね。そういうものに目をキラキラさせてるところが似てるのかな? 自分で言っててよくわかんないけど」
――わかるような気もする、かなあ。


「でも、参加者が凄く楽しそうにしてるのと、イベント全体の熱気っていうかパワーは初めての自分でもわかるくらいにはっきり感じたよ。こりゃMU-6の歩くのも速くなるわって思った(笑)」
――そこに戻るのかよ!(笑)
「(笑)。自分がハマるかと言われたらNoだと思うけど、MU-6が冬に出展するなら冷やかしついでに今度は少し長めに覗いてみてもいいかなと思う程度には楽しかったよ。これは本当に」
――“この青年が後に伝説とまで呼ばれる大手サークルの代表となるのだが、それはまた別のお話”。
「はいそこ、嫌なナレーション入れない」
――いや、「もう二度と行きたくない」にならないってことはハマる素養はゼロじゃないからね、あながちないとも言えないよ?

彼の最後のコメントを聞きながらナビをした人としてこちらの予想以上に楽しんでもらえて良かったな、と思うのと同時に何年も行っている間にすっかり忘れてたけど、自分も初めて参加したときは彼と似たようなことに驚いたりしてたんだよな〜と何とも言えず懐かしい気持ちになったですよ。
……皆さんは、最初に参加したときの気持ち、まだ持ててますか?
自分は少々怪しかったりするのですが…、それでも。今年もまた夏の戦場に行ってきます。
ちょいと真面目っぽく締めつつ、今日はこの辺で。次の更新はコミケ明けになるのは間違いないですので、会える方は会場でお会いしましょう!(自分がいる場所はこちらを参照くだされ)