『パコと魔法の絵本』見てきた ☆☆☆

8月末は親切な方にゆずっていただいたチケットでAnimelo Summer Live(楽しかったけど5時間は長すぎてバテてしまい感想どころじゃありませんでした……)に行ったりしていたこともありサボっていた映画鑑賞。
今週末は久しぶりに劇場に足を運んで『パコと魔法の絵本』を見に行ってきました。
あらすじはこんな感じ。

変わり者ばかりが入院する病院の中で、とりわけ変わった男がいた。男の名前は大貫。一代で会社を築き上げた彼は病院に押し込められた苛立ちを周りにぶつけることで憂さを晴らしていた。
口癖は「お前のような奴が私のことを知っているというだけで腹が立つ!」
誰からも嫌われ、恐らくは死後誰からも忘れられる。その日を待ち、怒りと苛立ちを募らせるだけの日々。


そんなある日、大貫は同じ病院に入院しているパコという少女に出会う。珍しく優しさを見せ、パコのために絵本を読んでやる大貫。しかし、その翌日出会うとパコは大貫のことなど知らないと言う。
不思議に思う大貫だったが、たまたま起きたちょっとした事件からパコに手を上げてしまった彼はパコの秘密を聞かされる。
彼女の記憶は一日しか保たないのだ、と。
真実を知った明くる日、昨日自分に何をされたのかも覚えていないパコを見た大貫は、思わず彼女の頬に――自分が殴ってしまった頬に手を伸ばす。


「おじさん、昨日も……パコのほっぺ、さわったよね?」
パコの口から出るはずのない言葉が出たとき、大貫の人生が変わり始める。


感想としては客観的に見ればよくできてるんだけど……と言葉を濁したくなる感じ。
自分はこの監督の映画は初めてだったんですが、『下妻物語』なり『嫌われ松子の一生』なりをちゃんと見てから行けばよかったなとエンドロールを見ながら、そんなことを考えてしまいました。
極彩色を多用した劇中劇のシーンを筆頭にどこか現実味を欠いた風景は、作中の病院の奇妙な人々とよく合っていたんですが、阿部サダヲが出てくる場面の演出だけがどうにも合わなくて……(´Д`;
重くなりがちな話のカンフル剤として重要だということも、「老若男女に支持される映画」という中で特に若い(というか子供の)支持を受けるためにはかなり有効に働いていた――劇場には結構子供が多くて、彼らはみな大笑いしてました――ということもわかっているつもりなんですが、それでも彼が出てくるシーンが挿入されるとそれまでの流れがブツッと切られてしまうように感じてなじめませんでした。


逆に言えばそのシーンで感じた苛立ちさえスルーすれば、総じてよくできていたと思います。
ネタバレになってしまうので詳細は伏せますが、こちらの予想を小さく裏切る脚本上の仕掛けもあったり、泣かせるような場面もあったりして。
土屋アンナ演じる看護婦が妻夫木聡演じる元子役にハッパかけるシーンや、パコのために演じたお芝居が全部終わったあとのパコと大貫のラストシーンなんかは正直ちょっと涙ぐんでしまいました。
こればっかりは相性なんでもう仕方ないんだけど、余計な笑いだけが残念でなりません。


ああ、ダメ人間的な感想もちょっと書いておくとアヤカ・ウィルソンたんのかわいさはガチでした(マテ
同じヒトゲノムを持っている生物とは思えん。
そして名台詞のはずの「おじさん、昨日も……パコのほっぺ、さわったよね?」がタイトルに書いた「おじさん、昨日も……パコのおっぱい、さわったよね?」に聞こえてしまった自分のダメさ加減に自分で絶望しました。汚れすぎてる(´Д`;