不定期連載「部屋とアイマスと私」 第2回

まさか1ヶ月近く何も書けないとは思いませんでした……(´Д`; すみません、本当にすみません。
4月に、4月にさえなればきっと負荷は軽減されるはずなんだ……(春を待つ雪国の人のように)。
もうね、3月に入ってからの忙しさが異常なんですよ。MU-6さんが所属している部署は仕事の内容上、もともと年度末は特別忙しい感じなんですが、今年は特に忙しくてなんだかもうなんだかです。いや、真面目な話、こういうこと書くと腹の立つ人も出るかとは思うのですが、今が不景気とかウソなんじゃないの?と思うくらいバタバタしてるんですよ。まあ別に儲かっているわけではないので不景気は不景気だし、貧乏暇なしを地で行っているんですがね〜(^^;


さて、そんな更新できなかった言い訳はさておき、そんなこんなでドタバタな日々を過ごしておりました。
ここ数週間のMU-6さんの息抜きなんてこんくらいですよ。

これらのダメ映画(『ヤッターマン』に関しては自分に合わなかっただけでダメだとまでは思わないけどさ)が息抜きになるとかありえないだろ。最初の1週間くらいはアイマスSPをプレイするくらいの余裕はあったけど途中からはそれもなくなってしまいましたしね……。「部屋とアイマスと私」のはずだったのにおかしいなぁ。


でも最初の1週間はかなりアイマスに支えられておりました。
こう、家に帰ってPSPを起動するじゃないですか。で、あずささんに「今日も一日ガンバガンバ、です」とか言われながらニヤニヤするじゃないですか。
割と素で思いましたね。ああ、家に待ってる人がいるっていいなぁって(マテ
昔、版画屋さんに「家に帰って待っている女の子がいるっていいですよ」とか「僕は思うんですよ。男として好きな女の子の一人も食わせられなくてどうするって」とか言われたことがあって、そのときはアホだろ死ねと思ってたもんですけど、ゴメン版画屋さん、あんた間違ってなかったよ……。
ボクもあずささんを食わせてあげないといけないのでポップサウンドブラッサムを買いましたよ!(特定の宗教を信じている人ならではのいい笑顔で)


――そんなダメな一幕はありながらも友人の助けもありまして、なんとか無事業者さんが入れるくらいには部屋を片付けることができました。途中「なんとかする方法を知ってたのにやってないのは頑張ってるとは言わない」という花鳥玲愛さんの教えを思い出してなりふり構ってらんねーなとレンタルボックスを借りたり色々とありましたけど主に思い出したくないので割愛したいところ。運び出した段ボールはまだ数えられたけど、捨てたゴミ袋は推定で50袋以上になってからは意識するのをやめました、とだけ。
というわけで本来だったら何回かに分けて書くはずだった「部屋とアイマスと私」もあっさりと最終回です(ぉぃ


とはいえ、久々の更新をこれだけで片付けるのもアレなんで掃除の最中の一コマからちょっとだけ抜粋。
本来でしたら使用前・使用後のように写真を載せるべきなんでしょうが、ぶっちゃけ載せるにはあまりにもヘビーな映像なので控えておくことにします。
以下の会話を見てどれほどの惨状だったのか思いを馳せてください(笑)。

友人1「(家に来る前に)でも自分の家も散らかってるから。MU-6さんの家だって似たようなもんでしょ?」
MU-6「申し訳ないけどそっちの家がギリギリ破面(アランカル)になれるレベルだとしたら、こっちは十刃(エスパーダ)の中でもオレだけが到達できる刀剣解放・第二階層(レスレクシオン・セグンダ・エターパ)くらいの差がありますよ」

(部屋を見る前)
MU-6「たぶんオレの部屋見たら『なん……だと……』ってネタ抜きで呟くと思うよ」
友人2「前の家の状態を見ているだけに笑えないわ〜」


(部屋を見た後)
友人2「…………」
MU-6「あれ? 『なん……だと……』は? 思ったほどでもなかった?」
友人2「……いや、凄すぎて『なん……だと……』と呟くことすらできなかった」

どんだけ『BLEACH』好きなんだよ、オレは。たとえ話で使いすぎ。


でも今回の掃除は自分に人間の可能性をひとつ教えてくれました。
MU-6さんはお世辞にも運動神経は良くないんですが、部屋に山と積まれた物を全く崩さずに歩くことができたんですよ。でも友人達が歩くとなるべく自分の通ったルートをなぞってるはずなのに、なぜかボロボロ崩れるんですよね。つまり全く意識していなかったけど、いつの間にかオレは我が家を歩くのに最適な歩法をマスターしていたわけです。
もしオレの人生がXboxのゲームだったら「家庭内探検家:0G」の実績が解除されてますよ、きっと。
これってアレですよね。例えるなら毎日少しずつ伸びる木を飛び越えていたら凄いジャンプ力が身に付いた、的なアレ。忍者メソッドは本当にあったんだ! っていうか別に運動神経悪いヤツでも機能向上ってあるんだ! みたいな驚きがありましたね、ええ。
そこは感心してる場合じゃないだろ、というツッコミはしないであげてくださいm(_ _)m


これでまたあっという間に逆戻りしたりすると今度こそ友人から見放されてしまいそうなので、なるべく維持できるように頑張ろうと誓いつつ久々の更新おわりっ!

不定期連載「部屋とアイマスと私」 第1回

そんなわけで部屋のお片付けを始めたのですが、一向に物量が減ったように見えません(´Д`;
まあ部屋の容積をある意味限界まで使い切ってるんでしょうがないのはしょうがないんですが……。
あ〜、隣の空き部屋、片付け期間だけでいいから物置に使わせてくれないかな。
今のままだと物をどかして整理しようにも、どかした物を置く場所がないのですよ。積まれている物の下の方にあるブツは理屈的にはあってもなくても変わらないレベルの物なんで捨ててしまうべきなんですが、当然上に乗っているものをどかさないと手を出せないわけで、そこで若干手をこまねいている部分があります。
先が見えないというのも辛いですが、頑張っても締め切り日までに業者さんが作業できる状態になりそうもないというのが客観的に評価した今の状態です(えー


以下アイマスの話になりますが、かなりアレな内容なので「続きを読む」にしておきます(笑)。

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『西又葵です。』サイン会@立川に行ってきた

先日感想も書きましたが、我らがアイドル西又葵先生の作家デビュー作である『西又葵です。』のサイン会が立川で行われたので先週末足を運んできました。
自分はあんまり詳しくないんですが西又御大は立川に住んでいた?だかなんだかで、縁が深い土地の様子。すみません、てっきりアールジュネス*1がちょくちょく版画展やってるからだとばかり思ってました(マテ


さて秋葉原や池袋では整理券が即刻はけた本サイン会ですが、立川では発売当日段階ではまだチケットに残りがありました。とはいえ、あれから3週間が経過しています。当然のようにチケットは全てはけ……ていませんでした(´Д`;
なんで? 西又先生の第二の故郷的ポジションの土地じゃないの? 西東京方面のファンはみんな買って錦飾らせてやれよ!
当日チケットが残っているというのは真面目に想定外だったのでこれにはちょっと驚いたですよ。


まあそんな予想外の展開はありつつも集合時間になったので会場へ。
今回会場になったのは立川駅そばのラーメンスクエア。いくつかのラーメン屋さんがしのぎを削る人気スポットですが、その中央にちょっとしたイベントスペースがありまして、そこを使う形になっていました。以前ゆりしーもラジオをやっていた由緒正しいイベント会場なのですよ。
ですが、集合時間が日曜の12時半というのがちょっとアレでした。普通にラーメン食べに来てる人と思いっきりバッティングするんですよね〜。おかげで見られる見られる。この会場の立地だけはもーちょいどうにかなんなかったのかなぁと思いました。
お客さんは……他の作家さんのサイン会に長らく行っていないので比較はできませんが、本の中で自ら語っていたように若いお客さんも結構いたみたいです。でもイメージしていたよりは平均年齢は高かったですね。立川のサイン会はサイン会ツアーの終盤だったので、古参兵たちが多かったからかも。
実際、自分のそばに並んでいた方は

「今日までのサイン会はほぼ全て参加している」
「生活費の半分以上はNavelにつぎ込んでいる」
「グッズを置く場所がなくなったのでトランクルームを借りることにした」

などひとつひとつがきら星のごとく輝く言葉を発しておられましたし。
生活費の半分以上ってことは確実に版画もコンプする勢いですよね……、すごいなぁ。


その後、行われたサイン会そのものはごくごく一般的なもの。
名前を書いた紙を渡して西又先生にサインをしていただき、その間に一言二言会話をして終了(人によっては握手もする)――みたいな流れでした。アイドルのサイン会などと違って特に握手や会話の最中に急かされるようなことはありませんでしたが、そもそもお客さんが緊張しているのかあまり話さない方が多かったのと西又先生のサインする速度がかなり速いので全体的にかなりスピーディ。
たぶん参加者ひとりにつき1分かかってないんじゃないかな? さすがにサイン慣れしていると感服いたしました。
ちなみにオレもせっかくなんで何か喋ろうと思って並んでる間にない頭を絞りました。
う〜ん、「コーダインが攻略できないバグをどうにかしてください」がいいか、「日和子にはなんの不満もないがアレックス2もですね」がいいか、とかいろいろ考えていたんですが直前になって他の質問に変えました。
当日は西又先生の脇にこのエントリで紹介されているポスターが告知として貼られていたのですが、これを見た瞬間「ああもうこれを聞かないと」と思ってしまったのです。
自分が何を聞いたかわかりますか? ちょっと考えてみてください。


さて、正解は……
「『西又葵の今までの奇跡』ってありますけどラクルで合ってるんですか?
でした!
以前ネタにした「桃戦」に限らず誤字の多い本ではあるんですが、まさかポスターでも誤字ってるとは思わなかったので。そして一方で「いや、御大なら誤字じゃなくてミラクルが正しい記述かもしれん」とも思ったので(ぉぃ
なお、これを聞いたらすぐに担当さんが「この場ではこれで合っている、ということにしておいてください」と仰ったのでミラクルで間違っていないそうです。ただ雑誌広告などでは「なぜか」違うバージョンが掲載されているとのこと(笑)。
この担当さんの発言を聞いた御大の口から「え? 誤字だったの、気付かなかった!」というコメントを得られたこともここに申し添えておきます。
……「誤字があったことに気付かなかった」という意味なのはわかってるんだけど、それでも一瞬「このままで正しいから誤字じゃないと思ってた」という意味かと思ってちょっと吹きそうに。
(もらったサインはこちら)
まあ、とにかくそんなわけで西又先生のこれまでの奇跡の集大成とも言うべき楽しいサイン会でしたとさ。
この調子でエッセイストとしても天下を取れるように頑張ってください。とちょい投げやりに締めておきます。

*1:一部で有名な版画屋さん。MU-6さんはここのセールストークを完璧にマスターしているのでいざとなったら就職しようと思っているとかいないとか

オレプライム問題

世間様ではサブプライム破綻に伴う消費の冷え込みが問題になっています。
かくいうMU-6さんが勤めている会社もなんか業績がかなりアレなことになっているらしく、なんとかの一つ覚えのように経費節減という言葉が繰り返される日々ですよ。世知辛い世の中ですなぁ。
だから……というわけでは全くないのですが、今月実はエロゲを1本も予約していなかったりします。というか来月の分も何も予約してないので手持ちの予約券がゼロという状態。
別に自慢にも何にもならんのですが、たぶん社会人になってからは手元に予約券がないという状態はなかったはずなので数年ぶりの事態ということになります。やべー、100年に一度の不況の隠れた影響がこんなところに(ぉぃ
正直気になる作品は何本かあるのですが、どうにもテンションが上がらなくて予約までする気にならんのですよね〜(もちろん部屋を片付けなきゃいけない状況で物を増やすのに抵抗があるってのもあります)。当日お店に寄ったら案外買ってしまうのかもですが。
既にエロゲから離れて久しい友人などに言わせると「そのまま買わなくなったら二度と戻れない」らしいので気力を呼び起こして積みゲー消化と並行して新規購入もしたいですね。


……気力を呼び起こさないと購入できない時点でかなりダメな気がするけど、そこはスルーの方向で(^^;

オレ史上最大のピンチについて

さて、そんなわけで本来でしたら今日から不定期連載「アイマスSP奮戦記」が始まる予定だったのですが……楽しみにしてくださっていた皆さん(いねーよ)、申し訳ないッ!
本日、よりにもよってこの日にオレ史上最大のピンチが舞い降りたため、のんきにプロデューサー業に勤しんでいる場合ではなくなりそうです。
(以下回想)

MU-6「ふ〜っ、今日もお仕事終わった。さてアイマスやるぞ!」
寮長「あ、MU-6くん、ちょうどいいところに」
MU-6「(んだよコラ、テンション下がる声かけてるんじゃねーよ)なんですか?」
寮長「寮の掲示板に書いてあるんだけど実はかくかくしかじかで」
MU-6「……な、なんだってーーっ!!」

(回想終わり)
これだけではなんのことやらだと思いますが、今度寮に排水管掃除業者の人が来るらしくてですね。この作業はもう絶対やらなきゃいけないものなので、それまでに掃除業者の人が入れるくらいに部屋を片付けろと言われてしまったのですよ。
過去にもこの手の業者さんは何度か来たことがあるのですが、悪く言えば(生ゴミだけはちゃんと処理しているので)臭わないゴミ屋敷――別にゴミが積んであるわけじゃなくて自己弁護すると純粋にモノがどうかしているくらい多いだけなんですが――良く言ってもトタン板で作った戦後のバラック、すげーかっこよく言うと城塞都市と化している我が魔空空間(部屋)での作業を諦めて帰るばかりでした。
なので今回もそーなるんだろーなーと反省の色もなく暮らしていたのですが、今回はいつもと様相が異なり掃除できない場合は会社の判断を仰ぐとかなんとか。
いっそ部屋のブツを無差別に処分しちゃうとかなら心はボキボキに折れるけどそれはそれで諦めもつくんですが、いきなり部屋を追い出されると次の家も探さないといけないしでかなり困ってしまうのですよ……(´Д`;


正直、並の一人暮らし男性の3倍くらいは荷物があると思うので、引っ越しを2回くらいやる労力がかかりそうなんですが、寮長にも「俺のあと何年もない会社生活に汚点を作らないでくれ」と強く要請されたのでなるべく掃除頑張ろうかなと。っていうか泣き付かれるほどモノを積むって客観的に見るとどうしようもないモンスター寮生だな。
とりあえず大きな問題は本の塔とCD塔とエロゲ塔をどう処理するかだな……。
地震が起きると頭に落ちてきたエロゲで目が覚める」田村ゆかりが退路を塞いでいるので何かあってもベランダに出られない」などのレジェンドが生まれてしまっている我が家なので、これを崩すのは至難です。


そんなわけでして「アイマスSP奮戦記」を楽しみにしていて下さった方には申し訳ないのですが、これからしばらくは不定期連載「部屋とアイマスと私」をお楽しみ下さい(マテ

みんな大好きPSP-3000

つい先日のことですけどPSP-3000買ったんですよ。あと大容量のメモリースティックと。
いえ、特にこのタイミングで買ったことに深い意味はないんですけどね? ほ、本当だよ?
決して発色が綺麗だから、とかアイマスに合わせて、とかではないですよ――とお約束の自己否定は置いておいて。
いや〜、もともと使っていたのがPSP-1000だったこともあって軽いは薄いはでもう最高です。前のはなかなか持ち歩く気にならなかったけど今回のなら外に持ち出すのも苦にならない風味。


そんなPSP-3000ですが、上司と出かけたときに「PSP-3000買ったんですよ」という話をしたんですよ。
ウチの上司は30代後半二児の父にして現役でヴァナ・ディールを旅しているほどのゲーマーなので当然のようにPSPも持っている……というか部下として配属されたばかりのときに一緒に客先行く最中、オレのことを完全に無視してテイルズとかやってた人なんでこういう話もわかるんですが、その話をしたら「あ、オレも年末に買ったよ」と乗ってきました。
先ほども書いたようにFFシリーズが大好きな上司ですゆえ、「ああ、ディシディアに合わせて買ったんですか」ときわめて順当な問いかけをしたら「いや」と一言で否定されました。
なん……だと……? まさか上司もアイマスという名の悪魔に魂を奪われた男なのか!?
その想像に戦慄しながら恐る恐る問いかけました。「ディシディアに合わせてじゃなければ、なんでまた買い換えを?」と。
上司、答えて曰く
ディシディアでCPUに負けて床にたたきつけたら壊れたから」
という凄い答えがサラッと返ってきました。
冷静になろうよ二児の父……(´Д`;


ちなみにMU-6さんがPSPを買ったときは会社の新人さんと一緒にお店に行ったんですが、オレがゲームソフトと一緒に本体も買ってるのを見て「あれ先輩、前からPSP持ってませんでしたっけ?」と聞いてきました。
だからきっぱりと答えてやりましたよ。
「ああ、今月アイマス出るから」ってね、HAHAHA!!(米笑)
「冷静になってください」と凄い勢いで突っ込まれた。そして「本体をわざわざ新調するほど面白いんですか?」と聞かれたから正直に「いやゲーム的には基本割とクソいですよ」と答えたら「さっきからMU-6さんの言っている日本語の意味がよくわかりません」と真顔でdisられました。
そんな冬の日のこと。新人はもっとオレに優しくしてもいいと思った日のこと。

西又葵です。&にゃんだふる!! 買ってきたので感想を書いてみた

ども、MU-6です。前回立川で予約した西又葵先生の本2冊を引き取ってきましたよ。
というか偶然にも1月30日に立川方面に外出する用事が入りましてね。土日で回収に向かうしかないと思っていたんですが、金曜日の午前中には引き取ることができてしまいました。まさか整理番号2桁が取れるとは思ってなかったんで、MU-6さんちょっと感激ですよ。これはもう天の配剤としかいいようがないな。
まあ発売当日の時点では予約者自体、100人未満だったんですけどね(ぉぃ
いらんかった、2桁取るだけなら何の努力もいらんかった!!


――ともかく。そんなこんなで買ってきた本の感想を早速書こうと思うわけです。
が、『にゃんだふる!!』の方は普通に普通のねこ写真集ゆえ、著者兼飼い主がたまたま西又御大だというだけで特筆すべきことはありません。ねこ好きの人なら普通に「ねこかわいいです」という気持ちになれるんじゃないでしょうか。
だったら他のねこ写真集でもいいじゃんというのは禁句な。
ちなみに犬も写っているけどあんまり目立ってないんで、犬好きはなおのこと他の写真集を買うといいと思います。
「俺様(ねこ)的ポジティブシンキングな1冊」ということで御大が飼っているねこの中でもリーダー格の広東(♂9才)の視点で前向きなメッセージが綴られております。例を挙げるとこんな感じ。

風呂に入れば、色々なことがきれいさっぱり洗い流せる。
でも、自分の為に少しだけ、悔しかったことを残しておく。
次に頑張れる糧になるから。

……ねこ、無駄にかっこいいな。


MU-6さん的には本筋に全然関係ないんですけど

広東、中華、パフェ、サンデー、プリン、ユッケ、チョコ、もんじゃ、ムース、点心、白玉、はまぐり、アンチョビ、モダン、わさび、からし、あさり、ほたて、ちくわ、マロン、しじみ

という「お前、その日食べたメシで名前つけてんじゃねえのか」という西又先生のネーミングセンスに感服することしきりでした。いやまあ20匹も飼っていて、いちいち「ジョセフィーヌ」とか付けてたら呼ぶの面倒だとは思うんだけどさ……。


んで、多くの人にとってメインと思われる『西又葵です。』の方ですが、これは一言で要約すると「私の履歴書西又葵」。
あ、説明するまでもないと思いますけど日経でやってるアレね。
出生から今に至るまでの西又御大の半生が本人の言葉で綴られている、そんな1冊です。
活字離れが叫ばれる昨今の若者にも優しいかなり文字数の少ない仕様になっており、合間合間に挿入される西又葵のイラストの数々(たぶん全部過去に描いた版権イラストの再掲なんじゃないかという気がするけど、そこは気にしたら負けだ)&西又葵プライベートショットが添える華やかな彩りによって高い満足度を生み出しています。幼少期の写真に至っては体操服姿まで曝しているのでファンなら親を生命保険に入れて保険金詐欺を働いてでも欲しい1冊と言えるでしょう。どうせならレイヤー時代の写真も入れればよかったんじゃないカナ? カナ?
※プライベートショットの一例
ぶっちゃけプライベートショットはかなり誰得感があるというか、「この顔の丸みがかった感じがマナティを彷彿とさせるからミエティって呼ばれてるのかな」とか思ったり思わなかったりなんですが、これ以上書くとマジで訴訟沙汰になりそうで怖いので踏み込むのはやめておきます。
これは“たとえば”の話ですよ。僕らがここに書くのは、たとえばそんなメルヘンですよ。


少し真面目な方向に舵を戻しますと、「私の履歴書」ですから当然都合の悪いところについては記述がありません。
たとえばBasiL消失からNavel誕生までなんかはきっとそれだけで本1冊作れるくらいのドラマがあったと思うのですが、そういうところは驚くほどにあっさりと流されています。
しかしその一方でPSで発売された『夏色剣術小町』でキャラデザのみの担当になった際の話や、BasiLを立ち上げる前にエロゲの話が1個流れていたというエピソードなど御大とはいえ順風満帆なイラストレーター人生ではなかったのだということがわかる挫折話が載っていたりと要所要所ではきちんと踏み込んだ話が出てきます。
中でもご両親の離婚にまつわるエピソードなどは逆に読んでいるこっちが「……サラッと書いてるけど、これ、ここまで書いちゃっていいのかなぁ?」と心配になるほど。


他に印象に残ったのは自身の絵について語ったこの文章。(引用部加工はMU-6)

(前略)ちゃんとデッサンしてキャラクターを描かれているイラストレーターさんは、かなりいると思うけど、私はそういう方々とは、ちょっと方向性が違っていて、全体的な見栄えの良さで描くことにしているのです。
基本的に画力については追求していなくて、やっぱり見た目の派手さやバランス、絵としての可愛さを意識しています。
コンセプトとしては、パッと見た時にわかりやすい絵を描くということ。
私の絵は若い人や、まだアニメに詳しくない人たちのような、こっちの業界の知識が浅い方に好まれているみたいです。

いわゆる「二次元的なフィクション」と「西又レセプター」*1に関する本人の言及。独特の美学と冷静な分析が垣間見えます。
全体的な見栄えの良さとデッサンは必ずしも相反する要素ではない気もしますが、それは素人考えというものでしょう(ぉぃ
そんな西又先生ゆえ、かつてのMU-6がそうであったように他のイラストレーターさんの絵を見るにつれ「こっちの方が上手いじゃん」と別の人のファンになってしまうことも多いようですが、その状況もねこから分けてもらったポジティブパワーにかかればこうなります。

きっと、私の絵はイラスト好きになっていく人達の登竜門的な感じというか、入り口なんだと思います。
(中略)
イラストの世界をいろんな人に知ってもらうこと……それが私の、西又葵の使命だと思っています!

……ねこ効果、すげえ。


――とまあ、いろいろ書いてきましたけど、最近ではすっかり地方活性化のエキスパートになりつつあり、そのうちこの実績を武器に地方議会あたりに参戦するんじゃないかと(主にオレの周りで)言われている西又先生ですが、絵描き西又ファンならこの本、黒い意味抜きで満足できると思います。さっきのプライベートショットに関しては誰得って書きましたけど、本文そのものは綺麗事っぽいところも多いけど私の履歴書」としては十分な内容だとオレも思いました。
ちなみに本と同日発売された『俺たちに翼はない』についても少しだけ書かれているのですが、かなり挑戦的な内容のようです。自分もまだ初回プレイ中ですが、これからどう展開していくのか楽しみです。あえて成功が約束されている『SHUFFLE!』のようにしなかったというのは、「ずっと挑戦していきたい」というチャレンジ精神旺盛な先生らしいですね。

ただエッセイのタイトルを手書きにするチャレンジは控えた方が無難だったかと思われます(^^; 桃戦って……。

*1:10代をピークに年齢を重ねる過程で失われるとされる西又絵を受け入れるセンスのこと。MU-6の妹が20歳を境に西又絵に違和感を覚えるようになったことから命名された