『神のみぞ知るセカイ』のギャルゲーは小規模作品なのかも

今週も『神セカイ』こと『神のみぞ知るセカイ』を楽しく読んでいたわけですが、今週は落とし神様こと桂馬くんのゲームプレイの様子が綴られていました。
6台のゲーム機と6台のディスプレイを駆使して6本のソフトを同時に処理する「落とし神モード」
積みゲーに悩める諸兄にはうらやましすぎるスキルです。実際寿命を縮めるのと引き替えに超スピードで処理できるなら自分も使いたい! という命知らずのギャルゲー野郎どももいるのではないでしょうか?


さて、今回考えていきたいのは「落とし神モード」でのプレイ速度について。
このモードに突入した桂馬は3時間で6本のゲームをコンプリートしています。並行処理しているので1本のゲームをクリアするのにおよそ3時間かかるという想定でいいでしょう。
そしてそのモードに突入しているとき、彼の手は超高速で動き、残像が見えるほどの速度となっています。
だがちょっと待って欲しい。いったい音声はどうなっているのか。


ギャルゲーにおいては音声も重要なファクターだと不肖わたくしめは考えます。それを含めてのワンパッケージですし、何よりもキャラの魅力を作り出す上で音声の果たす役割は極めて大きいと言えましょう。
かくいうMU-6自身、全てではないにせよ音声はなるべく聞くようにしています。つまらない作品ならまだしも面白い作品ならば8割以上は聞いているはず。
昔、ある有名なサイト管理人さんとお話しした際に超高速でゲームをクリアする彼に「なにかコツでもあるんですか?」と聞いたら「ああ、私は音声を聞かないんですよ。最初からオフにしてシナリオもある程度強制スキップして、まとめて読み返すんです。そっちの方が効率的でしょ?」という答えが返ってきたことがあります。
そんなの邪道食いの極みですよッ!!


その方はシナリオにしか価値を見出さないタイプの方だったので、まあそういうのでもいいんでしょうが、我らが落とし神様がそんなアレなプレイスタイルを取るはずもありません。いや、正確には「取って欲しくありません」とするべきでしょうか。だって彼はオレたちギャルゲーユーザーがいつか追い求めた幻想ユメなんだから――(奈須きのこ文体)
そうなると答えは自ずと絞られてきます。


まず第一に考えられるのがこの世界のギャルゲーは小規模作品が中心なのではないか、ということ。
以前のエントリで落とし神様がクリアしたヒロインは1作品あたり2人未満という点を指摘しました。
このときは「攻略ヒロインの数が少なすぎる」と書きましたが、これがこの世界のリアルだとしたらどうでしょうか? たとえば1ヒロインしかいないゲームで3時間攻略にかかったとして、それが5人だとしたら15時間。実際には共通部分も出てくるでしょうからもう少しプレイ時間は短くなるにしても、それくらいなら音声付きでも十分ありえるボリュームです(最近の実社会では作品が大型化しているので、プレイ時間15時間は短い部類でしょうが)。
落とし神モードを駆使しても20時間以上攻略に要するほどの数の作品が出ていること、桂馬はなんだかんだ言っても学生さんということを鑑みると、こっちの世界の週刊誌くらいのノリでボリューム小さめ、お値段安めのギャルゲーが出ているのではないかというのはありそうな話です。
中には連続ドラマのように複数本にまたがった連作になってるものもあったりするかもしれません。
『エルドラドゲート』が似たようなことをやろうとして失敗したような気もしますけど、気にしたら負けです(笑)。


もうひとつ考えられるのは、落とし神様がゲームをクロックアップして動かしている、ということ。
現実世界にもAlquadeRegud Mezegisといったソフトがありますが、こうしたソフトを使ってゲームを高速で動作させ、それを桂馬がプレイしているという考え方です。
ちなみに前出のソフトは便利ですが音声や音楽まで高速再生されるわけではないので、その辺の問題をクリアする必要はありますが……まあそこは神様ですから超頑張ってなんとかしたんでしょう(ぉぃ
こっちのモードだと単に6本並行して処理するよりもさらに脳への負荷は多そうです。
(昔こち亀にこんな方法でビデオを見ている人の話があったような……)


どっちが正しいのかわかりませんが――というか「正しい答え」を求めるのであれば「マンガの面白さのために誇張してるだけなんだから深いこと考えずに楽しめよ」が正解なのはわかっていますが(笑)――以上、ちょっとした思考実験でした。
そんなことよりもミュージカルパートの最後に出てきた女の子が気になって仕方ないMU-6でした。

は、初音ちゃん!?