沖縄旅行に行ってきましたよ(その2)

すっかり間が空いてしまいましたが、その間に友人・知人にお土産を配ったりしてきました。昔は何かしら変なアイテムを買ってくることに意欲を燃やしていた自分ですけど、今年は特にそんな変なネタを仕込むことなく淡々とまともなものを配りましたですよ。自分も大人になったものです。
まあ実際のところは、自分が探した範囲ではあんまり珍妙なお土産が見つからなかったっつーだけですけどね。Tシャツは微妙なのあったんですけどね〜。
と、それはさておき旅行記の続きでございます。


◆9/15(2日目)前編
ゆっくりとした速度で沖縄本島に台風が迫る最中ではありましたが、この日は雲こそ出ていたものの比較的晴れていました。今回の旅行はず〜っと雨に苦しめられるんじゃないかという予想もあっただけに、これは嬉しい誤算。
そうなると晴れているからこそできるようなことがやりたくなるのが人情というもの。
よっしゃ、マリンスポーツやるぜ!
今回泊まったホテルは割と立派なリゾートホテルでしてコンシェルジュに行けば色々なマリンスポーツに申し込むことができるのですが、一度やってみたかったダイビングに申し込むことにしました。幸か不幸かいつ天気が崩れてもおかしくない状況だけに他に申し込んでいる人もおらずあっさり予約は取れました。
……ちなみに予約の際に自分の丸々とした身体を鑑みて、「オレに着られるウェットスーツがないとかそういう理由で断られたりしないだろうか」と思ったのはナイショです。まあ後になってみると、その心配は決して杞憂ではなかったとわかるのですが……(^^;


さて、そんなわけで人生初ダイビングですよ初ダイビング!
海外で潜った同僚や取引先の人が「水族館が好きなのにダイビングしないとかありえないだろJK」と事あるごとに言うので今回晴れていたら絶対に潜ってやろうと決めていたのですが、いざやるとなると緊張します。
ウェットスーツはなんとか合うサイズのがあったからいいけど、背中のチャックとかひとりで閉められないしさ(´Д`;
なんだか始める前から不安ばかりが募りますよ?


プールの中でアクアラング(って名前あってる?)を使った呼吸の練習や、耳抜きの仕方を一通りレクチャーを受けてしばらく練習。運動センスのない自分もこの辺は特に問題なくクリア。一緒に行った友人2人は当然何の問題もなく関門を乗り越えていきます。
一通り練習が終わって大丈夫そうだとなったところでモーターボートに乗って最寄りのダイビングスポットに移動します。各種装備を身につけて、浮力を与えるための空気を詰め込み、一方で海底まで潜るための重りも装着します。ダイビングってどうやって潜るのか知らなかったんですけど原理的には完全に潜水艦と一緒なんですね。バラストで沈んでエアーで浮かぶっていう。違うのはバラストを海底に廃棄しないことくらいか。
そういった準備ができたらあとはいよいよ海へ飛び込むだけ。船の縁に腰掛け、背中から海中にドボンと落ちるのみ!


……さて、ここでダイビングをこれからやってみようという人たちにMU-6さんからひとつだけアドバイスさせていただきたい。

ダイビングはデブには向かない、まず痩せよう(ぉ

これはあらゆるデブに当てはまるものではなくて、自分が潜ったところの持っている装備の問題ではあるんですが他の多くのスポーツ同様、やっぱりデブ向きではないなと思いました。
潜る際には酸素ボンベなどの機材が括り付けられたベストみたいなものをウェットスーツの上に羽織って、胸の前でベルトを締めてベストを固定して潜ります。で、今回自分たちがやったのは「体験ダイビングコース」でして、基本的に水の中で自分たちは泳ぐ必要はなくインストラクターさんが牽引するのに任せればいい、というスタンスのコースだったんですね。そしてインストラクターさんは牽引するにあたってベストの襟の部分を掴んで引っ張るような形を取るのですが……、太ってるとベルトで止められないんだよ(´Д`;
止められなかったんだよ!!
ベストが固定されていないがゆえに力が伝わり切らなくて、引っ張られながら方向転換するたびにあっちへフラ〜、こっちへフラ〜ととにかく安定しません(^^;
バランスを保つために手なり足なりを動かす必要があるのでベルトが固定できないと無駄に疲れますよ!
そしてデブであることの弊害はこれに留まりません(な、なんだってー!)
自分の場合、バラストをアシスタントさんがギュッと締めるように腰に括り付けられなかった結果、移動するにつれてずれていきさらに水中でバランスを欠くことに(´Д`;
あんまりにもバランスコントロールが面倒なことになったためか、最終的に海底に着いた時点でインストラクターさんがバラスト廃棄してましたからね(ぉぃ あ、船に戻ったあとでちゃんと回収してましたけど。
そんなわけでこれからダイビングをする人はもし太ってるなら、せめてベストのベルトを巻けるくらいには痩せておくことをオススメします(ぉ


――話を戻してドボンと飛び込んだ後の話ですよ。
ドボンと飛び込みましたら普通の場合は係留策などを頼りつつ、徐々に入れたエアーを抜きながら底に向かって潜っていくことになります。もちろん途中で耳がキーンとなってきたら耳抜きをすることも忘れてはいけません。
徐々に水上や陸上とは異なる顔を見せるようになってくる海の幻想的な光景に酔っていれば体験ダイビングで潜れるような深さ(15〜20mくらい)はあっという間です。
……とガイドブックなら書いてくれるのでしょうし、実際他の2人は海底に行くまでの間にも徐々に変わっていく光景に見入っていたようなんですが自分はそんなこと全くありませんでした(ぉ
なんてゆーか、ぶっちゃけるとビビってそれどころじゃなかった(えー
別に溺れた経験があるわけでもないし、むしろ泳ぐこと自体は得意な方なんですけど潜っていくとある段階で――具体的には海底に辿り着くにはまだ遠いけど一方で海面にも瞬く間には戻れないくらいの深さになったあたりで――妙に不安を感じるというか落ち着かない感じになってくるんですよ。
芥川龍之介的に言うと「潜ることに対する唯ぼんやりした不安」ですよ。
これについては自分なりの分析もあるんですが、とにかく自分の経験からこれだけは言っておきたい。

ダイビングとは己の胆力を問われるスポーツである(大げさ)

いや、これは本当に。ビビリであることには定評があり、結局3度も海面まで戻るハメになった自分が言うんだから間違いありません(マテ
…………そう、3度。実に3度も途中で引き返して海面に戻りました。先に海底に着いた友達は「なんでいつまで経っても来ないんだろう?」と不思議に思ってたそうです(^^;
なんかねー、さっきの「ぼんやりとした不安」に苛まれながらも徐々に潜っていくじゃないですか。途中で耳がキーンってなってくるんで耳抜きしようとしますよね。すると失敗するじゃないですか(マテ
プールでは何の問題もなくできたものが不安の中で無意識に焦ってるから失敗してるだけなんですけど、そうなると人間ますます焦っちゃうんですよね。で、「あわわわ……」となってると今度は間違って呼吸の際にちょっと海水も吸い込んでしまったりする。本当は海水を吸い込んでも溜まった唾と一緒に強めに吐き出してしまえば海中に排出されるんですけど、たまたま事前にそれを聞いてなかったこともあってさらに焦る。この悪循環で息苦しくなってきてジェスチャーで(海中のやり取りは基本的にジェスチャーです)「上に戻るYO!」というSOSサインを出すハメになってしまうのです。
MU-6さんとか基本的に被害妄想系の人ですから焦ってパニクった状態のときは「ここで機械が壊れたら……」とか「エアーが急に抜けてしまったら……」とかありえないリスクまで考えてましたからね(マテ
我ながらビビリすぎ&焦りすぎですけど、ベストやバラストが固定されてないような状態ですから不安も膨らむっつーものですよ。

ダイビングのときは考えすぎない方がいい

これもダイビング童貞の皆さんは胸に刻み込んでおいて欲しい……と思いましたが、よく考えると
機械が壊れる→海底に沈む→インストラクターさんの救出が間に合うよりも先にサンゴや岩の合間に足がハマってしまう→溺死
まで空想する人はほとんどいないと思うのでやっぱり胸に刻まなくてもいいです。
逆に「どんな環境でも死亡フラグを想像してしまう男、スパイダーマン!」みたいな人はぜひ胸に刻んでおいてください。


それにしても3回も失敗するとなんというか、その、自分が人間としてとてもダメなんじゃないかという気がして非常に凹むわけですよ。インストラクターのお姉さんは優しく気長に励ましてくれて、たぶんあと10分続いてたら「一緒に本州に来てください」とプロポーズしていたと思うんですが(ぉぃ)、仕事とはいえこんなダメマンに付き合わせるのも心苦しいな……というようなことを考えずにはいられないわけで、しばらく海面を漂いながら決めました。
あと1回。あと1回アタックして海底まで辿り着けなかったら船で友達が戻ってくるのを待とう、と。


こうして始まったラストチャレンジ。
過去3回のチャレンジで行くことができた深さを超えて、海底に向かって潜っていきます。これまでの経験で海面と海底、それぞれの距離を意識するとかえって焦るというのがわかっていたので、本当の楽しみはスポイルしてしまうんでしょうが仕方なしになるべく周囲を見ないようにしつつインストラクターさんの目を見ながら係留策をたぐるのみです。
しかし、それでも「不安」はやってきました。妙に落ち着かない感じ。急に脳裡をよぎる「ここで何かトラブルが起きたら無事でいられるのか? 自分の運動能力で」という嫌な考え。心なしか心拍数は上がり、海水も口に入ってしまいます。たぶんこれはきっと自分の本能的な恐怖なのです。ああ、やっぱりダメなのか……。さすがにそう思いました。


しかしその時、このフレーズが頭をよぎったのです。ジョルノ・ジョバァーナのあの言葉が。

覚悟とは!! 暗闇の荒野に!! 進むべき道を切り開くことだッ!

そう、自分は覚悟を決めたはずです。今度こそ海底まで行くと。本能的な恐怖だからなんだというのか。その恐怖を理性で、あるいは本能を凌駕する感情で乗り越えられるのが人間なのです。
何か、何かがあるはず。これを超えられる何かが。
何か……たとえば、そう、あずささんとか。
彼女が一緒に潜っているとして、優しく微笑みながら見ていてくれる状況で「なんとなく不安だから」なんて理由で彼女まで船に戻しちゃっていいのか? 男として、それはいくらなんでもはずかしすぎるんじゃないのか? サンゴ見てクマノミ見て「プロデューサーさん、ニモですよニモ〜」とかやるんじゃないのか?(キャラ変わってます)


海底に着きました(えー
人間の妄想力ちからが本能を凌駕した瞬間です。わー、感動するねー(棒読み)。
……まあさすがにちょっと誇張は入ってますけど、ビビったのも関係ないこと考えて気を紛らわせてたのも概ね事実(^^;


でもね、ここまでさんざん泣き言ばっかり書いてきたけど、その苦労も吹き飛ぶくらい海底に着いた後は楽しかったです。超オススメ。そりゃ周りの人も「なんかの宗教か?」ってくらい勧めるわ。
自分は他の面々と比べると潜るのに手間取りすぎて海底にいられた時間は短かったんですけど、間近で見る魚やサンゴはやっぱり水族館で見るのとはまたひと味もふた味も違います。海中で魚肉ソーセージを差し出すとわっと魚が群がってくるのとか新鮮ですよ。映像で見るのは簡単ですけど、自分の持っているソーセージに体当たりを仕掛けながら食べていく、その衝撃を指先で感じるのはやっぱり潜らなきゃ経験できないわけですから。
事前にプールでレクチャーを受けたときに「ちょっと息がしづらいと思うかもしれませんけど、海の中に入ったらそんなこと気にしてる余裕もないくらい夢中になれますよ」なんて言われてたんですが、それもさもありなんと深く納得。
一度海底に足を付いたら例の不安が消えたこともあって(地面があれば安心らしい)、潜った後はちょっとくらい海水が口に入っても焦る余裕もないくらい周囲の光景に見入ってました。う〜む、これは楽しいわい。
で、楽しかっただけに潜るのに手間取ったのが本当に悔しいんですよね……。
次の機会がいつあるかわかりませんけど、ぜひまたやりたいです。次の時はもっとスムーズに潜って満喫するのですよ。さしあたっては最初から妄想するようにしよう(マテ


以上、ダイビング体験記でした。
すっかり長くなってしまったので続きはまた次回。おそらく2,3日のうちには書けるものと思います。というかいつまでも引っ張るわけにもいかんので書くようにします(^^;